小児矯正
PEDIATRIC
【矯正治療・装置について】
- 矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。
- 矯正治療は、公的健康保険対象外の自費診療となります。
- 薬機法(医薬品医療機器等法)未承認の矯正装置は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
- 治療の主なリスク・副作用については、ページ下部をご確認ください。
小児矯正とは
成人矯正は歯を動かしていきますが、小児矯正では顎が成長中であることをいかして、骨格を整えながら歯が並ぶスペースを作っていきます。
時期としては、主に乳歯から永久歯に生え変わる時期に開始します。お子さまが装置をつけるのが嫌にならず歯磨きもしやすいよう、取り外しできる装置を優先的に使用します。中学生くらいまでであれば、こうした装置を選択できます。
小さいうちから歯並びを改善させることで、将来的に矯正治療をせずに済む場合があります。通院の頻度は2~3ヵ月ごとになりますが、勉強や部活などで時間を取れない場合は柔軟に対応します。
小児矯正のメリット・デメリット
メリット
- 骨格のバランスを整えられる成長期に矯正治療を行なうことで、顎骨がきれいに成長するよう誘導できます。上下の顎の成長の度合いや方向などを整えて、将来的な歯並びを改善させます。こうした治療は、成人矯正では得られません。
- 永久歯を抜くリスクを抑えられる小児矯正では奥歯を後方へ動かしたり、顎骨を成長するように誘導したりします。こうした治療によってスペースが生まれ、将来、矯正治療が必要になったときに永久歯を抜かずに歯並びをきれいにできる可能性が高くなります。
- 治療期間の短縮を図れる顎の土台を整える1期治療をしておくと、永久歯が生えてから歯を動かしていく2期治療が、通常の矯正治療よりも期間を短縮できる可能性が高まります。1期治療での「位置決め」によって永久歯がきれいに生えてきた場合は、矯正治療そのものが必要ない場合もあります。
デメリット
- 全体の治療期間が長くなるケースがある小児矯正は、土台を整えるための1期治療が1年~1年半ほどかかる場合があります。その後は永久歯が生え揃ってから検討するため、それまで定期的に観察する期間に入ります。ご来院の頻度は低くなるものの、全体の治療期間が長くなるおそれがあります。
- ご家庭での自主的な管理が必要になるお子さまが装着する装置の多くは取り外しが可能で、ご家庭でお子さまが装着することになります。治療を嫌がってすぐに装置を外すようなことが続くと、想定していた効果を得られない場合があります。ご家庭で協力しながら管理することが大切です。
1期治療と2期治療
-
1期治療
骨格矯正を目的とした矯正治療で、主に噛み合わせを良くするための「位置決め」をします。
6歳臼歯という奥歯を基準にして位置決めし、歯並びを整えていきます。1期治療によってスペースができて、永久歯を抜歯せずに矯正できる可能性が上がるとされています。また、出っ歯や受け口といった不正咬合を予防できることがあります。 -
2期治療
成人矯正と同様に、歯を動かす治療です。1期治療によって骨格のバランスが整っていると、2期治療をせずに済む場合があります。もし2期治療が必要となっても、一部の歯を矯正するだけで整うことがあります。もし、噛み合わせに悪影響を及ぼしそうな永久歯が見つかった場合は、完全に生えてから治療を始める場合があります。
お子さまの矯正装置
-
拡大装置
金属の輪っかに針金とネジをつなげて構成されている装置で、歯に輪っかの部分をはめて固定します。ネジを回すことで力が加わり歯列の幅を広げていくもので、成長期にあるお子さまの上顎に適用されます。装置はスケルトンタイプやHaasタイプ(金属とプラスチックで構成)など、いくつかの種類があります。
-
歯列矯正用咬合誘導装置
(プレオルソ)お口周りの筋肉がアンバランスだったり舌の位置が悪かったりすると、歯並びを乱す原因になります。歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)というマウスピース型の装置をつけることで、筋肉を鍛えるとともに舌の位置を正常にし、口呼吸から鼻呼吸へと導きます。将来的に歯並びが良くなる可能性が上がります。
口腔筋機能療法(MFT)
歯並びの乱れは、生まれつきのものだけが原因とは限りません。生活習慣や何気ない癖も関係するとされています。あまり意識することがない舌の位置も正しいポジションにないと、歯が生えてくるのを妨げられることがあります。こうしたお口の癖や筋肉バランスを改善するトレーニングが、口腔筋機能療法(MFT)です。
MFTは、舌や口唇の位置を正しくし、お口周りの筋肉のバランスを整えて癖を直すことを目的としています。とくに、指しゃぶりや舌癖は改善が見込まれます。
伊勢崎クリア矯正歯科では積極的にMFTを治療に取り入れ、後戻りの防止にもつなげています。
リスク・副作用
矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。使用する装置、症状や治療の進行状況などにより変化しますので、参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- 装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。歯の誘導に使用します。
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 取り外せるので、装着時間を守るためのセルフコントロールが必要です。
- お子さまが治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 毎日の装着を怠ると、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 正しい使い方ができていないと、かえって悪い歯並びになってしまうことがあります。
- この装置だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
口腔筋機能療法(MFT)にともなう一般的なリスク・副作用
- お口周りの筋肉を正常に機能させるためのトレーニングです。
- 機能的・審美的に仕上げるための治療なので、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- お子さまが治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 口腔筋機能療法(MFT)だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
- 口腔筋機能療法(MFT)を行なったからといって、将来矯正治療をせずに済むとは限りません。